不動産業界にも日常化? デジタルマーケティングツールMA・SFA・CRM

セールス・マーケティングプロセスイメージ

以前の回「不動産営業(セールス)のDX ~デジタル営業ツールのご紹介」でも若干お伝えした、MA・SFA・CRMについて今回は掘り下げていきます。

DX化が進んでいる不動産業界でも、3ツール全てではないにしても、近い将来にこれらのツール利用が日常的になると思っているため、これらを取り上げています。

 

大手の1ベンダーさんの話だと、すでに国内の不動産会社1,000社くらいにツールを導入していると言われていました…

 

Index

1.デジタルマーケティングツール、何のためのツール?

2.「MA」「SFA」「CRM」それぞれのツールの特徴

・MA

・SFA

・CRM

・MA・SFA・CRM 自社の目的に合わせたツール選び

3.まとめ

 

1.デジタルマーケティングツール、

  何のためのツール?

 

MA、SFA、CRM

この3つがこれからのマーケティングや営業活動に欠かせなくなる、デジタルマーケティングツールです。

 

コロナ禍でより顕著になっていますが、消費者の購買プロセスがオンラインでのインターネットで完結しているのが現状です。

その中で、より効果的かつ適切にお客様にアプローチするには、直接対面のオフラインだけではなくオンラインのインターネット上でも関係構築が必要になってきます。

そのためインターネット上で、お客様の心理、購買意欲を把握する必要があります。

 

こうしたオンライン上で活躍するのが、デジタルマーケティングです。

ツールそれぞれの機能が重複される場合もありますが、基本的な領域は異なるため、それぞれの特徴を理解してもらえたらと思います。

本来はSFAだけれども、CRM的な機能も備えているなどにあたります。

 

 

実際のところ、CRM(顧客管理)ツールについては導入している企業もあるのではないでしょうか?

CRM(顧客管理)は20年以上前から導入されているので。

正直に言いますと、3ツールともアメリカから導入されています。

マーケティングという概念自体がアメリカで生まれたもので、その教科書もアメリカからの輸入なので、当然と言えば当然ですね。

MA、SFAは7,8年前から導入されており、2020年での国内市場規模はMA 447億円、SFA 260億円、CRM 1,834億円となっています。

CRMは日本での運用期間が長いため、少し抜きんでていますね。

ただ、どの市場もコロナ禍をものともせずに右肩上がりで、2021年以降の成長予測率も当然上向きとなっています。

 

次は全体イメージとそれぞれのツールを具体的に説明していきます。

 

 

2.「MA」「SFA」「CRM」それぞれのツールの特徴

 

まず、イメージを掴んでいただくために、下記のセールス・マーケティングプロセス全体イメージをご覧ください。

セールス・マーケティングプロセス全体イメージ

セールス・マーケティングプロセス全体イメージ

 

なんとなく、大枠のそれぞれのツールの領域が掴めたでしょうか?

CRMは最初の見込客獲得のところで名刺管理が入るので、全体にまたがるという考えもありますが、今回は上図をもとに説明いたします。

 

さて、前回のおさらいになります。

 

・MA(Marketing Automation)マーケティング・オートメーション

リード育成、選抜のプロセス

・SFA(Sales Force Automation)セールス・フォース・オートメーション

商談開始から購買・成約までのプロセス(営業支援システムといわれます)

・CRM(Customer Relationship Management)カスタマー・リレーションシップ・マネジメント

既存顧客との関係維持・向上のプロセス(顧客管理システムといわれます)

 

でしたね。

では、それぞれのツールを見ていきましょう。

 

・MA(マーケティング・オートメーション)

読んで字のごとく、マーケティング活動の自動化を意味します。

見込客の獲得から育成、選別までを目的としており、見込客に対して有益な情報やコンテンツを最適なタイミングで提供します。

そうして段階的に購買意欲を高めていくことを目的としています。

 

一般的なマーケティング活動では、あらゆるチャネルからアクセスされるユーザーに対して、ひとりひとりに適切な対応をすることは非常に難しいです。

そのため、可能性の高い見込客を見逃す、ニーズに合わせたアプローチができないといった課題がありました。

 

MAツールの活用によって、オンライン上における見込客のアクセス頻度や行動履歴、属性情報などを可視化することができます。

そして見込客のアクションに対してスコアリングすることで、可能性の高い見込客の判別までできるようになります。

見込客が欲しているニーズが見えてくるので、それぞれのニーズに合わせたマーケティングが実現します。

 

また、シナリオ設計によりメール配信などを自動化できるため、見込客の獲得と育成に向けたプロセスを効率化できるのが特徴です。

 

 

MAツールが得意とするのは、見込客へのアプローチです。

それらは3つの段階に分けられます。

  • 見込客の獲得
  • 見込客の育成
  • 見込客の選別(購買意欲が高まっている顧客を営業部門へ引き渡し)

 

見込客をたくさん獲得するためには、それぞれの課題解決に向けたアプローチが理想です。

見込客の属性や行動によって求められるアプローチは異なりますが、MAツールの育成機能を活用することによって見込客の受注角度を高めることができます。

受注角度の高い顧客に絞って営業部門に引き渡せるため、営業活動を効率化できます。

 

 

MAツールの主とした機能

  • 見込客の行動をチャネル別に可視化
  • 見込客の属性情報をセグメント化し、最適なシナリオ設計が可能
  • シナリオ設計により、アプローチを自動化
  • 見込客の興味の度合いをスコアリング機能によって判別
  • 受注角度の高い顧客を判別し、営業部門に引き渡し

 

・SFA(セールス・フォース・オートメーション)

営業活動を効率化するためのシステムを指します。

MAツールで獲得・育成・判別された見込客情報をもとに、商談の状況を管理し、効率的に成約に繋げることを目的としています。

 

従来は、営業担当者が個別に顧客情報や案件の管理をしていました。

そのため、管理コストが発生してしまう、担当者間の情報共有ができないといった課題がありました。

 

SFAツールを活用することによって、案件のスケジュール管理や工数管理、見積書や売上レポートの作成を迅速に実行できます。

また、営業チーム内での情報をシェアすることによって、チーム内全体の動きが可視化され、より効率的、効果的な営業活動が可能になります。

また、ノウハウの共有による営業人材の育成にも貢献します。

チームで行動することで、今まで取り切れなかった商談の獲得や成約率の向上が期待できます。

 

 

SFAツールは、見込客とのスケジュール、工数、受注予測を一元で管理することで、営業活動を効率化させます。

設定した営業目標と照らし合わせて現状の営業活動を分析することによって、チームの売上を向上させることができます。

営業活動による効果をデータ化することによって、見込客に対してどのようなアプローチやセールスが有効なのかを蓄積・有効化していくことが可能です。

 

ウェブサイトやホワイトペーパーなどオンライン上で見込客の獲得ができ、各営業担当ひとり当たりの対応できる案件は増えていきます。

競合比較が当たり前となっているため顧客の検討期間は従来よりも長期化しつつありますが、今までの行動実績で得られたデータをもとに様々なアプローチも可能になりました。

 

SFAツールの主とした機能

  • 物件やサービスごとに案件を管理
  • 受注までのシナリオ作成
  • 営業チーム内で商談ごとの日付や内容を管理
  • 営業チーム内のスケジュール管理
  • 受注予測による適切な予算管理
  • 営業活動のデータ蓄積・分析機能

 

・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)

日本語で訳すと、顧客関係管理ですね。

顧客との良好な関係を構築して管理することによって、顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上を図るために開発されました。

 

CRMは、既存顧客との良好な関係を築くための継続的なフォローに特化しています。

MA、SFAに比べて、日本に早く導入されたことも納得できますね。

 

顧客の性別や年齢などの基本的な情報に加えて、購買頻度や注文履歴、意見・苦情・要望などを細かくデータ化します。

それらのデータをセグメント化することによって、セグメントごとの最適なフォローが可能となります。

また、コミュニケーション履歴や購入履歴を管理できるため、カスタマーサクセスにも有効になります。

 

 

成約いただいた顧客と継続的な関係を築いていくには、顧客満足度の向上が必須となります。

顧客の囲い込み・ファン化につながり、ひいては一人当たりの購買額の最大化や長期的な収益の向上が期待できます。

顧客がすぐに解約などで離れてしまう、リピーターになりにくいなどの際はCRMツールの導入を考えてもいいかもしれないですね。

 

新規顧客の獲得もなかなか難しい現状ですが、継続的な顧客の確保や一度離れてしまった顧客を取り戻すのは尚更困難になっています。

これは、サービスを提供した顧客のニーズを満たすことができず、顧客が自社に対する興味を失ったことを意味します。

しかし、CRMツールを用いることによってそのような事態を防ぐことが可能となります。

 

現在では商談が成立した顧客に対し継続的にフォローをして、機能追加による単価アップや他商材との組み合わせ購入が可能になります。

王道ですが、顧客の誕生日に合わせて割引クーポンの配布、期間限定サービスの提供などいろいろなキャンペーンも効果的です。

また、クチコミで商品やサービスと宣伝してもらえるような優良顧客に育成することも非常に重要です。

勘や経験に頼ったままの顧客関係の維持は現在では非常に難しいため、ニーズの一部にしか応えられないものであれば、次第に廃れていくのは目に見えています。

 

CRMツールの主とした機能

  • 会社名や電話番号などの顧客属性情報を管理
  • 顧客情報をセグメント化し、それぞれに適切なフォローが可能
  • 既存顧客に対するキャンペーン管理
  • 顧客とのコミュニケーション管理

 

 

・MA・SFA・CRM、自社の目的に合わせたツール選び

 

MAツール、SFAツール、CRMツールは、それぞれマーケティング活動における領域が異なります。

MAツールは案件化前の見込客の獲得・育成・選別までのプロセス、

SFAツールは案件の商談から受注までのプロセス、

CRMツールは既存顧客の関係構築やリピート化のプロセス、

としています。

 

セールス・マーケティングプロセス簡略版イメージ

 

このように、MA、SFA、CRMの各ツールは、それぞれが別物というわけでなく、マーケティング・営業活動の一連のプロセスのなかで、各段階での取組みをサポートしてくれます。

 

また、自社のニーズを分析せずに目標を立てないまま、ツールのみを先に導入してしまうのは非常に危険です。

それぞれのツールは、見込客の獲得や顧客満足度の向上などを期待できます。

ツールによる成果を得るためには、事前に利用目的を明確にすることが重要となります。

どのツールを導入するか迷った場合は、現状の自社の取組みを整理して課題や改善点を洗い出すことから試みましょう。

 

  • 集客に困っている・マーケティングを効率化したい ⇒MAツール
  • 営業のノウハウ蓄積したい・営業活動を組織化したい ⇒SFAツール
  • 顧客情報を一元管理したい・顧客満足度の向上化を図りたい ⇒CRMツール

 

目的別にその効果を把握しながら、どのような施策を打つべきか、アプローチ方法はどうするかなど戦略をもって運用していくことが重要になります。

不動産DXが進む中、自社の立ち位置をどこに置いてどういった戦略で仕掛けていくかは大切になっていきますね。

各ツールどれも、様々なベンダーが参入しており、価格や機能、サポートは千差万別です。

全ての機能をそろえているベンダーも数社いるので、将来的に全部の機能が必要だと考えているのであればそういったベンダーをおススメします。

 

 

今回ベンダーの紹介もしようと思っていましたが、それについてはまた別の機会にいたします。

 

 

 

3.まとめ

・MA・SFA・CRMはどれもマーケティング・営業活動を飛躍的に効率化してくれるツールですが、自社での利用目的を明確にしないと十分な効果が得られません。

・各ツールは様々なベンダーから提供されており価格や機能、サポートは異なっているので自社に合ったものを選ぶことが重要です。

・目的別にその効果を把握しながら、どのような施策を打つべきか、アプローチ方法はどうするかなど戦略をもって運用していくことが重要になります。