不動産営業(セールス)のDX ~デジタル営業ツールのご紹介

不動産営業(セールス)のオンライン営業中の画像

不動産業界のなかでも、今回は営業(セールス)にマトを絞ってDX化について説明しています。

DXは、ツールを使うことが目的ではありません。

目的を明確にして、自社の営業プロセスにあったデジタルツールを使いこなす必要があります。

 

Index

1.不動産営業(セールス)のDX

・DXとは?

・不動産営業(セールス)におけるDXとは?

・不動産営業(セールス)におけるDX実現の必要性

・不動産営業(セールス)でDXを実現するためのポイント

2.おススメのデジタル営業ツール2社を紹介

・bellFace ベルフェイス

・MiiTel(RevComm レブコム)

3.オモシロい、ほかの業界の営業DX事例

4.まとめ

 

1.不動産営業(セールス)のDX

・DXとは?

まず、DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味について解説します。

以前の記事でもDXについては触れていますので、理解がある方はすっ飛ばしてください。

経済産業省の「DX推進ガイドライン」を参照にすると、以下のように定義されています。

 

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

 

引用 経済産業省『「DX推進指標」とそのガイダンス』

https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf

 

では、不動産業界の営業部門がDX化を推進していくと、企業にどのような変革をもたらすのでしょうか?

本記事では、不動産営業(セールス)におけるDX実現の必要性、DXを実現するためのポイントなどをご紹介します。

 

 

・不動産営業(セールス)におけるDXとは?

不動産業界においても、新型コロナウィルスの影響を受けて、非対面営業が急速に広まり定着しつつあります。

ウィズコロナとなる前から世の中の営業スタイルは少しずつ変化していましたが、アフターコロナも見据えて「営業部門のDX」導入が求められています。

 

私も数年前まで不動産の営業を行っていましたが、当時は営業の武器は「足」と「KKD(勘・経験・度胸)」と言われ、足しげく顧客の元に訪問し「努力」で数字を上げるー。

というやり方でした…

4年間世田谷区の地主(土地所有者)にマンション・アパートの建築発注をしてもらう営業でしたが、飛込み営業、手書きのDM、テレアポなど、今思うと本当に非効率極まりない…

世田谷区の道という道は歩き倒したし、手が腱鞘炎(けんしょうえん)を患うことも度々ありました。

このような昔ながらのアナログの営業を行っている会社は、不動産業界ではまだまだ少なくないのではないでしょうか?

 

オンラインでの商談、接客などのデジタル営業がウィズコロナにおいて一般化してきていますが、対面営業は依然として重要であり続けるでしょう。

効率最優先だけを考えて、顧客との信頼関係の構築を疎かにしてはいけません。

しかし、「昔ながらのスタイル」だけでは、体力勝負に頼って非効率なままになっているところがあります。

 

そこで、不動産営業(セールス)においてのDXは、自社の営業プロセスを顧客の購買行動に沿って再構築し、デジタルチャネルやデジタルツールを活用することです。

そして、「自社の営業活動」と「顧客の購買行動」の全体最適化を実現することといえます。

 

ネット検索やSNSで情報をいつでも取得できる今の世の中では、顧客はサービスの営業を対面で受ける必要性がありません。

以前記事で紹介したOMOの考え方ですね。

顧客によっては、突然の営業電話や飛込み営業に時間が奪われることを迷惑に感じるケースもあるでしょう。

DXが実現すると、対面営業を行わずとも顧客の熱量が大きくなったことをデータで確認できるため、顧客にとっても自社にとっても営業プロセスが効率化されます。

 

その一方で、自社においてはセールスマン一人当たりの生産性を高める必要があります。

データをうまく活用することで、営業トークを向上させることが可能になります。

またデジタルマーケティングツールを活用することで、従来よりも効率的な営業活動を行うことができます。

今まではそれぞれのセールスマンに属人的であった顧客情報をデータ化することで、顧客への対応の標準化や、異動・退職時の円滑な引継ぎが期待できます。

 

以上のように、顧客にとっても自社にとっても有益なDXではありますが、実際のところまだまだ導入を進められていないことも事実です。

突然のウィズコロナ対応として「なんちゃってデジタル化」をしただけで満足して、DXに至っていない企業も散見されます。

 

 

・不動産営業(セールス)におけるDX実現の必要性

 

・BCP(事業継続計画)の観点から

BCP(Business Continuity Plan)対策はこれからの企業にとって必須となります。

日本は、2011年の東日本大震災に代表されるように地震や天災が多い国です。

突然の出来事で、社員が会社に出社できなことも考えられます。

つい1年前には、新型コロナウィルスによって私たちの働き方は一変させられました。

まだまだ変異株やワクチンの接種状況など見えない中で、今後の事態の予測は誰もできていません。

 

リモートワークで営業活動ができる環境を整えておくことは、事業継続の観点からも必要不可欠です。

コロナが日常化しているこの状況は誰でもいやですが、備えの大切さはみなさんも十分理解できていると思います。

 

・生産性向上の観点

DX化によって、生産性の向上が期待できます。

ここ近年は、働き方改革や人手不足の影響により、一人当たりの生産性向上は必要に迫られています。

DXによって業務が効率化することで、自社の利益アップにもつながっていきます。

 

以前はトップセールスマンの営業活動はブラックボックス化していましたが、これからはそれを分析してオープンにすることでひとりひとりのパフォーマンスの底上げが期待できます。

顧客のニーズ分析や営業プロセスの可視化には、デジタルマーケティングツール(MA、SFA、CRMなど)の活用が考えられます。

不動産業界のアナログ管理は、私も十分に分かっています。

しかし、そのアナログで管理していたものをデジタルで管理することで、営業活動による生産性を向上することができます。

 

・属人的な体制からの脱却

不動産業界の営業部門が属人的になっている大きな要因は、インセンティブ制(成果給)だと思います。

これ、おいしいですよね。

これがあるから頑張れる、ということも十分理解しています。

ただそのために、顧客や案件の情報が一人のセールスマンに抱え込まれてしまうことが課題になっています。

そのことによって、

  • 急な病気や家庭の都合の場合でも、ほかのセールスマンが対応できない
  • 営業スキルはKKD(経験・勘・度胸)や知識に左右され、成果にバラツキが出る
  • 異動・退職の際に、引継ぎがしっかり行われない

といったことが生じます。

 

DXを導入することで顧客情報がデータ化されれば、代替の対応も可能になります。

商談情報を共有することで、異動・退職の際の引継ぎもスムーズに行えます。

 

さらに、うまくいった商談を分析して共有することで個々人の営業スキルもアップすることができます。

自分が行った商談も見返すことができ、セルフラーニングで改善することができます。

 

 

 

・不動産営業(セールス)でDXを実現するためのポイント

 

・目的の明確化

営業(セールス)部門でDX化する目的を明確にしましょう。

何のためにDX化するのか明確になっていないと、今後の営業戦略を立てることが難しくなります。

 

「DX化することが世の中的に推奨されているから」「競合がオンラインをうまく活用しているから」など、表面的な理由で取り組んでもうまくいきません。

業務としてしっかり活用できないと、ただの経費となってしまいます。

 

DXを導入することで、「顧客にどういう価値を提供できるか?」「今後の自社の営業戦略をどう進めていくか?」といった経営的な視点から、目的を明確にする必要があります。

 

  • 新規顧客の開拓のためインサイドセールス部門に力を入れていくのか?
  • 既存顧客へのカスタマーサクセスに力を入れていくのか?

こうした目的によっても、導入するツールが異なってきます。

 

・営業プロセスを再構築する

DX化するためには、デジタルツールの導入は必須となります。

そのため、ツールを使うことを前提とした営業プロセスを再構築しなければいけません。

 

今までの、入手した名刺の数や訪問数が多いことが正とされていたアナログな方法からは脱却する必要があります。

そう、このような固定観念を捨てることは非常に大切です。

 

変化に対して抵抗感を抱いたり、従来の成功体験に固執する考えもわかります。

「今までの営業プロセスで成功していたから、営業DXでも同様の方法をベースにする」

「そのプロセスに適したデジタルツールを選定する」

このやり方だと、恐らくうまくいかないでしょう。

 

ツールを用いることでどのような成果につながるか、どういったことが実現できるか、根本的なことを明確にしてください。

そして、今までのアナログな方法をデジタル化するだけでなく、営業プロセスの再構築を行う必要があります。

 

 

・マーケティングとの連携

営業活動をDX化するうえで、必要なツールの一つにデジタルマーケティングツールがあります。

デジタルマーケティングツールとは?

  • MA(Marketing Automation)マーケティング・オートメーション
  • SFA(Sales Force Automation)セールス・フォース・オートメーション
  • CRM(Customer Relationship Management)カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
  • BI(Business Inteligence)ビジネス・インテリジェンス

 

横文字が並びます…

これだけ見ると、私も最初頭が痛くなりました…

CRMは20年以上前から使われているので、聞いたことはあるかも知れませんね。

 

これらについてはすごく大事な内容のため別の回で改めて説明しますが、今後はセールスとは切り離せないものとなっていきます。

簡単に触れると

 

MA:リード育成、選抜のプロセス

SFA:商談開始から購買・成約までのプロセス(営業支援システムといわれます)

CRM:既存顧客との関係維持・向上のプロセス(顧客管理システムといわれます)

この3つはそれぞれ独立しているのではなく、マーケティング、営業活動の一連の流れの中で、各段階での取り組みをサポートしてくれるものです。

セールス・マーケティングプロセスのイラスト図

セールス・マーケティングプロセスの概略説明図

 

BIツール:企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのツールです。

上記の3つと異なり、経営管理や売上のシミュレーションなどに活用できるもので、近年BIツールを利用する企業は増加しています。

 

 

 

2.おススメのデジタル営業ツール2社を紹介

 

・bellFace ベルフェイス

bellFaceウェブサイトのファーストビュー

bellFaceウェブサイト

照英さんのテレビCMでも有名な「オンライン営業システム」

・電話で商談しながら、ネットでデータ共有、説明を行うシステム

 

・MiiTel(RevComm レブコム)

MiiTelウェブサイトのファーストビュー

MiiTelウェブサイト

「AI搭載型クラウドIP電話」

・電話営業や顧客対応を可視化するIP電話

 

どちらのサービス名も聞いたことがあったのですが、昨年10月にこの2社と上記のSFAを担うセールスフォースさんのウェビナーを聞いて衝撃を受けました💦

 

正直オンライン商談は、zoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどで十分ストレスなくできると思っていました。

ただそれは表面上の操作だけを見ていたことに、気づかされました。

 

bellFaceはレコログ機能、MiiTelはAI解析を用いて、コロナ禍のオンライン営業にドライブをかけています。

ご存知のとおり、オンライン営業・接客は商談の頻度とスピードを格段に向上させました。

その中で、この2社は業績を大幅にアップしています。

両社の特徴は、勝手にくくってしまいましたが3つあります。

 

1「営業のブラックボックス化の解消」

・顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているか解析・可視化

・「実際の営業を見る・見せる」ことこそ最短&最高の育成

 

2「セルフスタディ・セルフコーチングの実現」

・受注ケースのレコログをリスト化、学びポイントが一目でわかる

・業種別の商談リスト・成功した商談リストなど、教育コンテンツとしての用途は無限大

・セールスマンの「話速」、会話のラリーの回数、相手の発言に対する返答の被り回数、セールスマンが話をしている時間と話を聞いている時間の比率の解析・データ化

 

3「相互フィードバック」

・同行は難しいものの、録画なら部下の商談フィードバックが上手くまわる

・同僚同士でも互いの商談にフィードバックできる

・新人でもトップセールスから営業手法を学ぶことが可能

・売上の成果だけでなく、レコログ視聴&フィードバック数も個人の評価対象

 

簡単にまとめると、全ての情報や商談のオープン化、ノウハウの自動蓄積で営業育成を超効率化することでチームでの売上を最大化できる、ということです。

 

みなさんは、上記の話を聞いていかがでしたか(文章だけでは少し伝わりにくいかもしれません…)?

 

私は、

『営業が化学化している』と感じました。

「もしドラ」でも有名なピータードラッカーの名言

『マーケティングの究極の目的は、セールスを不要にすること』

に近づいているな、とも。

 

 

もしご興味がありましたら、ぜひ両社から資料を取り寄せて話を聞いてみてください。

両社とも当然SFAと連携して、データを管理しています。

自社の営業プロセスに合うほうを試すのもありですし、不動産会社の中には場面に応じて両社とも利用している会社もあるようです。

 

まだ他にも同じように営業を解析できるツール(サービス)はあるかもしれませんね。

今後もオンラインとデータドリブン(駆動型)を掛け合わせたサービスは当然増えていきますので、情報収集は大事になってきます。

 

上記2社を利用してもしなくても、正直私には何のメリットもありません。

自社にベストな手法で、ベストなタイミングでDXを実現してほしいと思っています。

自らの経験からも不動産業界のDX化が進み、長く働きやすい環境に変わってほしいというのが本音です。

 

 

 

3.オモシロい、ほかの業界の営業DX事例

 

不動産業界とは別の業界ですが、ウィズコロナの影響をもろに受ける前から、営業DXを促進しているオモシロい企業があるので紹介いたします。

 

最初の1社はアメリカの電気自動車大手「テスラ」になります。

TESLAウェブサイトのファーストビュー

TESLAウェブサイト

2年以上前の2019年2月に、CEOのイーロン・マスク氏が店舗を閉鎖してオンライン販売に移行することを発表しました。

営業を完全にオンライン上で完結させてしまう方法に切り替えました。

オンライン販売では当然、「試乗ができなくなる」といった問題が発生します。

これに対してテスラは、購入後7日以内もしくは1,000マイル(約1,600km)以内の走行距離であれば全額返金可能な体制で対応しました。

また効率化によるコスト削減分を利用し、車の価格を平均で6%引き下げました。

そして、テスラはサービスシステムへの投資をはかって、顧客のサービス向上に舵を切っています。

 

 

2社目はスーパーコンピュータ「富岳」でも有名な総合ITベンダーの「富士通」です。

FUJITSUウェブサイトのファーストビュー

FUJITSUウェブサイト

富士通はITサービス提供企業として国内1位の売上を上げており、自身がDXを推進する役割を担っています。

その富士通は2020年の3月に、「営業」職を廃止しました。

年功序列を撤廃し、職務によって役割が決まる「ジョブ型制度」を導入するなど、率先して社内改革を進めています。

「営業」職を撤廃する代わりに「ビジネスプロデューサー」職を設置しました。

顧客と一緒にビジネスをプロデュースしていく役割を果たします。

この新たな体制は、最新システムによる効率的な社内連携によって支えられています。

 

 

これらの事例は極端すぎるためすぐに参考にはなりませんが、まさに時代が転換されていることが分かりますね。

顧客サービスに力を入れている会社は、今後もどんどん先行して変化していくのでしょう。

 

 

 

4.まとめ

  • 不動産営業(セールス)においてのDXは、「自社の営業活動」と「顧客の購買行動」の全体最適化を実現することといえます。
  • BCP(事業継続計画)、生産性向上の観点、属人的な体制からの脱却という点がDXを実現するために必要になります。
  • DXを実現するためのポイントは、目的の明確化、営業プロセスの再構築、マーケティングとの連携の3つになります。
  • 不動産営業(セールス)においてのDXを実現するために、オンライン営業のデジタルツール2社をご紹介。解析、分析機能を使って、営業チーム全体の底上げがこれから必要になってきます。
  • ほかの業界の営業DX化は、想像もしないかたちでどんどん進んでいます。