不動産テック(不動産×IT)とIT導入補助金とはその2

不動産テックとIT導入補助金とはその2

不動産テックは確かに業務効率化に効果を発揮しますが、中小の不動産業者が導入するには費用面でのハードルが大きいでしょう。

そこでぜひ活用したいのが、「IT導入補助金」です。

今回は2回目として、IT導入補助金の概要とあわせて、不動産会社が利用する際のメリット・デメリットについて考えていきます。

 

■IT導入補助金とは

IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)は、中小企業や自営業者を対象としたITツール導入に対する補助金になります。

業務効率化や業績向上のためのITツール導入を国が後押しする施策で、2017年より実施されています。

製造業からサービス業まで幅広い業種が対象で、資本金あるいは常勤の従業員数が基準以下である場合に利用できる補助金です。

これまでIT化に取り組んでいなかった事業者も対象ですので、コスト面でITツールの導入を躊躇していた事業者にとっては朗報でしょう。

 

IT導入支援事業は年度ごとに補助対象や実施要項、予算などが変わります。

2019年からは補助金額や業務プロセス、賃上げへの取組などの要件によりA類型とB類型が設定されました。

さらに2020年ではコロナウイルス感染拡大の影響により、テレワークと非対面ビジネスモデルへの変換を対象とした特別枠のC類型が設定されました。

今後も社会環境に応じて実施要項は変更されるかもしれません。

IT導入補助金説明画像

 

■IT導入補助金のメリット・デメリット

IT導入補助金の対象となるソフトウェアには、不動産業務の効率化に欠かせないRPAツールなども含まれています。

IT導入補助金のメリット・デメリットを理解した上で、補助金を活用したツールの導入も検討してみましょう。

 

  • メリット

IT導入補助金のメリットは、原則返済の必要がないことです。

さらに、書類の作成には手間がかかりますが、加点項目となる施策も示されており、ほかの補助金と比べると採択されやすい傾向にあります。

実施年度によって異なりますが、導入費用の最大1/2~3/4(2020年)の補助を受けられ、さらに業務効率化が進みます。

会社にとって、大きなメリットとなるでしょう。

 

また、補助金利用にはIT導入支援事業者を通じてツールを導入、導入結果の報告を行う必要があるため、導入後のアフターフォローも行われます。

そのため、申請に関してもサポートを受けられながら、費用をかけてITツールを導入したものの上手く活用できないといったリスクもありません。

IT人材の少ない不動産会社であっても、効果的にITを活用していくことができるでしょう。

 

  • デメリット

IT導入補助金は、IT化にかかる費用がすべて補助の対象となるわけではない点がデメリットです。

対象となるのは、「IT導入支援事業者が登録するソフトフェア・サービスの導入費」のみになります。

必要なハードウェアの購入費用は補助されません(2020年の特別枠C型に限り、レンタル費用についても補助対象になります)。

そのため、全くIT化が行われていない事業者の場合、ソフトウェアやサービス以外にも機器の購入経費がかかるため、想定以上の出費になる可能性があります。

 

さらに、補助金は申請後すぐに支給されるのではなく、ツールの導入後になります。

交付決定からツールを導入し、実際に補助金を受け取るまでには時間がかかります。

そのため、金額が高額になる場合はその間の資金繰りについても想定しておく必要があります。

 

なお、IT導入補助金の対象となるのは事前に補助対象として登録されたツールに限られます。

そのため、必ずしも自社のニーズにあったツールが登録されているとは限りません。

また、支援事業者によって取扱ツールも異なりますので、事業者の選択も重要になります。

補助金申請のためにわざわざ使い勝手の良くないツールを導入してしまう、ということがないようにしましょう。

補助金申請の締切間際に、慌ててツールを選定することも避けるべきです。

補助金の要項が分かった段階で早めに、準備に取り掛かることをおすすめします。

募集時期は年度によって変更が生じる場合もあるので、IT導入補助金のサイトをよく確認してください。

予算を消化してしまえば、その年の募集は終了になります。

また、

・すでに利用中のソフトウェアの費用

・補助金交付決定前に契約・導入したもの

については、補助対象となりませんので注意しましょう(2020年C類型を除く)。

補助を受けて導入したITツールを解約する場合には、補助の辞退となります。

1年未満の解約の場合は補助金の全額返還、1年以上であっても50万円以上のオンプレミス製品の場合は一部返還が必要になる場合があります。

ツールの選定は慎重に行うことが必要です。

■まとめ

IT導入補助金の利用は手続きなど手間がかかりそうに思えますが、補助率の高さは大きな魅力です。

また、ITサービス事業者を通じて導入や手続きを行っていくため、IT導入についての知見がない場合でも利用しやすいでしょう。

採択率については申請年度にもよりますが、ほかの補助金よりも高い傾向にあります。

業務の効率化のために、ぜひ活用したいものです。

 

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